超短いフーさんSSその13

超短いフーさんSSその13


 かの魔法世界の英雄様から見たら息詰まった未来であるところのこの世界。
 ○ーソン在住の吸血姫様に聞いてみたら、魔法世界は今、マジで破綻寸前なのだそうだ。
 まず、魔法世界という存在が謂わば「魔法」なのだとか。
 火星表面に広げられた固有結界みたいなものだとか。

 ・・・ちょっともえた。

 それはさておき。
 詳しい話を東京事務所で聞いてみたら、ギャラリーがおおいの何のって。
 で。
その魔法世界における魔力の供給と消費にバランスがくるって数百年。
 もう、今にでも消滅してもおかしくないとか。

「超の話では、魔法世界崩壊と同時に魔法使いたちは火星表面に放り出されたそうだ」
「「「「「まじ火星移住計画、待った無し!!」」」」」

 思わぬ方向に弓兵団大興奮。

「・・・あのだな、そういう話ではなくてだ。ファンタジー世界の住人がSF世界に転生、みたいでだな」
「「「「「きたぁぁぁぁ」」」」」

 いつの間にかルイズ嬢も一緒に叫んでいた。
 理解しやすい話だが、理解の仕方がファンタジーだった。
 そんなわけで、現在の火星の大気状態やら何やらをホワイトボードに書き出すと、流石に弓兵団意気消沈。
 が、逆に鼻息が荒いルイズ嬢。

「それでも生き残ったのよね? それってファンタジー? SF?」

 この疑問には弓兵団も呑まれた。
 そう、生死を分けたのはSFかファンタジーか?
 オタクたちの暑い、暑苦しい論争が始まる。
 ああでもないこうでもないとこねくり回しているウチに、魔法派・科学派・魔法科学派などが生まれては消えを繰り返す。
 なんというか、ものすごく楽しそうだったのだが。

「結局は何だったんだ?」
「強引に魔法でごり押しだったらしいぞ? 幻想世界側の魔法人が魔力に還元されたんで、その分の魔力で環境構築して閉鎖環境を地下に作ったって言う話だったが?」
「「「「「それかぁ!!」」」」」
「地下世界、萌える!!」
「うおぉぉぉ、火星地下帝国ぅ」
「基本に忠実とはこの事だな!!」
「魔法なのにSF、それも古典!!」

 何でも良いらしいな、と俺は思った。

「・・・?」

 そうか、今の段階で魔法人、魔力構成された人間を魔力に還元してしまえば結構延命になるのか?
 魔法消費する対象も減るわけだし。

「ああ、それを魔法世界の秘密結社が計画していたそうだが、今はどうなっているやら」

 肩をすくめた吸血姫。
 うー、誰でも気づくネタだったか、と俺も肩をすくめたのだが、なぜか弓兵団は真剣な目でこっちを見てる。

「えー、っと、なに?」
「フーさんや、これ」

 弓兵団の一人から渡された伝票。
 それは仕事の依頼内容がかかれたもの。
 お題目は「救世補助」。
 発注者は「完全なる世界(コズモエンテレケイア)」。

「・・・見なかったことにしよう」
「いやいやいや、どこの秋月だ?」
「しかしだな、納期、来月だぞ」
「引き受けてないし、でも引き受けてみる気ないのか?」

 さて、と首を傾げる。
 正直、火星一つ分なら空いてる「界」に押し込めば良いだけの話だ。
 魔力が詰まった「界」なら全く問題ない。
 つうかそれで解決だ。

「・・・いや」

 異界化してる魔法世界を外から界で内包してしまう方が早いか。
 少なくとも今までの手法では外との交流が「まったく」出来なくなるが。

「どうおもう?」

 弓兵団は全般的に保護推奨。
 元麻帆良女子系事務員は回答拒絶。
 まぁ、巻き込まれた事件の一端であったわけで。
 で、実働班女子は・・・

「救うべきよ、フー。そこにあるファンタジーなのよ!!」とルイズ嬢。
「あんなぁ、風太郎君。うちとしては問題ない範囲で穏便にしてほしいなぁ、なんておもうんよ」とこのちゃん。
「風太郎さん、わたしは、私としては、魔法世界の人々の命が繋がる道を選択してほしいと思います」とせっちゃん。
「・・・なのはは思うの。どんな形でも命が失われることが前提の作戦は叩き潰すべきだって」となのはちゃん。
「ふふふ、ヴァリエールが全面的に支援しますよ?」と、桃色髪の巨乳美人。

 ・・・って!

「「「「「ルマニア女、なんで、うぇぇぇなんでなんでぇぇぇ!?」」」」」

 なぜか、ルマニア女ことカトレアさん登場。

「あ、あのぉ、カトレアさん?」
「何ですか、サイト君」
「うちには、カトレアさんの来日日程の話、きてないんですけどぉ?」
「ああ、それは、私が公共交通機関を使っていないので、移動許可がいらなかっただけですよ」

 ごーーーーーん、という感じで沈黙の空気が支配する。

「ちなみに、どのような移動手段で?」

 どうにか踏み込んだサイト、偉い。

「ふっふっふ」

 にこやかな笑みで、一息ためる。
 そして「クワッ」と笑う仮面のような迫力で!

「飛んできました、生身で!!」
「「「「「・・・」」」」」

 まじか、とみんな気絶しそうになったのでした。

 

 実際は○ーソン経由でした。
 納得の高速移動です。

 

 まぁ、超常識的手段での移動によって来日、という事実については関係各国に申請が必要な立場であることに間違いないわけで。
 これについては間違いなく個人的理由だから、愛ある行動だから、世界大戦的意味はありませんからと各国で外交が行われ、じつに世界的騒動。
 つうか美神課長が怒鳴り込んできて、ゴネて暴れて娘さんたちに回収されていった。

「わたしの苦労をかえしてぇぇぇぇ!!」
「まぁまぁ、ママ。風太郎君が何とかしてくれるから」
「そうそう、ママ。フーちゃんなら何とかしてくれるから」

 こんな風に呪文を唱えていたのが印象的でした。

「俺にも無理なものは無理でっせ」
「ほらぁぁぁ、風間君だって無理だってぇぇぇ!!」
「だまってて、風太郎君!」「フーちゃん自重!」

 まぁ、そんなかんじで。
 弓兵団のアンタッチャブルレベルがあがりました。

 




そろそろ短い系を別のボードに移します。