第二十二話

第二十二話


えー、前話と同じく、リアルと関係ないファンタジーの話ですからw



 定期的に訪れる嘉納大臣邸。
 朝食だったり夕食だったりする。
 本日は夕食でおじゃま。
 同行はテュカ。
 エルフっぽい服装と楽器演奏はSPも含めて大拍手。
 録音許可もしてるので、密かに広まることは確定してる。
 それだけの名演奏だったりする。

「いやぁ、テュカさんの演奏にゃぁ魂もってかれるなぁ」
「そんなぁ、タロウ閣下。・・・お褒めいただき感謝します」

 にこやかな会話はそこそこ。
 本格的なブレイン扱いの俺は、この夕食会でいろいろな案件の方針について相談されている。
 まぁ、無茶ぶりもあるけど。

「というか、太郎閣下。隣国案件は太郎閣下の守備範囲じゃないでしょ?」
「政府全体で当たる国家事案だ」
「・・・つぶしちまえばいいのに」
「あの民族が存在しているだけで、日本という国に被害があるという認識は、本気で一般的だ。ただ、民族浄化はさすがに無理だ」
「へぇ、ニホンでも無理なんですか?」
「日本だからこそ無理、なんだ。テュカさん」

 苦笑いの太郎閣下。
 俺的には、某国内日本国民の救出が済んだら国交断絶で良いと思うんだけど。
 だって、あの国の生産物で日本がどうしても必要なモノなんてないし。
 生産物でも産出物でも、ありとあらゆるモノで日本が作っていないモノはないのだから。
 いや、技術移転とか言うなの強奪で被害を受けた産業があるので、逆張りで商業闘争をした方がいいな。

「おい、おれのブレイン、妙なことを口走ってないか?」
「意味が理解できません」

 簡単に言えば、某国と国交断絶して交流自体を国外でも制限する。
 偽装日本人経営店や偽装日本料理店を国庫を使って狙い撃ち吊し上げ。
 非日本料理店と公表しつつ正規の日本人料理店、というか家庭料理店、専業料理店、和食料理店等々を分類して「クックジャパン」とかいうブランド立ち上げとか良いかも。
 さらに、日本人感覚で魔改造された各国料理を国内外店舗照会できるようなデータベースを作って。

「ちょ、ちょっとまて、ちょっとまて、風太郎!」

 ・・・え、なんかおかしいですか?

「風太郎、俺たちは敵対関係をあおりたい訳じゃぁねえんだ」
「中途半端ですよ、太郎閣下。あいつ等は攻撃出来れば『相手は格下』、攻撃されれば『理不尽な受難』って思いこむ精神病患者ですよ? 日本だけと敵対していれば日本以外の国が自分たちを支援してくれると思いこんでる脳味噌がホットな国ですよ?」

 せめて、世界のすべてが自分たちの味方ではないという事実ぐらいは把握してもらわないと。
 もちろん、日本だって味方ばかりではない。
 ただ、いまの国状を考えれば、先進国の大多数は味方だし、UNの議会国で見ても9割味方だ。
 こういう状態まで持ってきて初めて敵対国を作るべきなのだが、もともと国際関係という人間同士の社会構造を正確に理解できない、というか嘘と偽装で作り上げた国家構造をもっている某国が、他の国に認められるはずもなく。

「ソコまですれば、戦争、だぞ」
「日本国は戦争できる固有戦力を持っていないはずです」
「・・・自衛できる」
「そうです、自衛です。保有領土すべてにシールドバリアーを展開して完全進入禁止にすればいいでしょうし、上陸作戦なんてすれば確保、領空侵犯なんてすればSDで捕獲すればいいでしょう」

 ISの軍事使用は禁止されているので、向こうさんが出した戦力に対してISを使えば、かならず国際法やら条約違反だといって大騒ぎするはずだ。

「あと、某国湾岸の原子力発電所を破壊すると日本の国土に被害甚大ですので、そのへんの国際法に引っかかる対日本向けの戦略兵器だということで非難声明を出しましょう」
「おいおい、向こうさんが使ってきたらどうするんだよ?」
「非人道兵器を使った野蛮人へ向けた対応を『世界』で行うべきかと」
「使わせることが前提かよ」
「まぁ、本当に使ってきたら、某国国土からはみ出た放射線量だけ始末しますよ、SFで」

 この会談で楽しい食事が出来たテュカと、いろいろとネタをぶちまけた俺だけが満足だったのだが、政府側の太郎閣下はいろいろと思うところがあるらしく、派閥会議に明け暮れたそうな。

 

 つうわけで。
 SDを自衛隊に先行配備することになった。
 有事の際に有用だということで。

 コレに対して野党の一部が猛反発したが、国会では黙殺、メディアでは国賊扱い、そして街頭演説では罵声を浴びる騒ぎになっている。
 もちろん、言論統制をしているわけではない。
 が、野党の一部が言っていることを聞くと理解出来る。
 日本が「軍備」放棄しているという主張まではいいだろう。
 戦争の放棄とか非暴力とかは個人の考え方だ。
 ただ、過去の戦争の罪とか、被害国への謝罪とか、特定国家への謝意とか。
 明らかにおかしな論理展開をし続けているのだ。
 もう、これは日本国民ではない、と誰もが感じた。
 日本の国益を、どこかの見知らぬ国へ売り渡す国賊だ、と。

 さすがに某野党政党本部も大慌てで一部議員を資格停止処分としたのだが、すでに世論は反某野党一色に染まっており、いま統一選挙をすれば間違いなく第一党の完全勝利となることが約束されているかのような状態であった。

 これを左翼評論家は「戦時国」状態と称したが、あながち否定は出来ない。
 少なくとも、いつミサイルが飛んできてもおかしくないほど某国は大騒ぎしているし。

 

 もともとは自殺した外相の責任だ、と言っている某国であるが、その後の対応を考えれば日本という国を軽んじすぎていることは間違いないわけで。
 文化や平和を共有できる国として見ることは出来ないというのが政府見解だ。
 これには国民も大いに賛成している。
 いままで政府で止めていた某国の日本に対する所行を公開しただけで。
 どれだけ平和のために我慢していたかと理解できる話であった。
 もともと、日本という国は、某国に対して一種の政治的責任を感じていた。
 某国は大陸の属国として存在していた訳だが、それを日本が独立させて「しまった」のだ。
 それからの某国は内ゲバと内戦にあけくれる定めであったのだが、日本の統治機構でなんとか統制されていた。
 が、日本が戦争に負けたことで信託統治領の放棄が必須となったため満州及び半島の放棄が必要になり、政治的に「放棄」しなければならなくなったのだ。
 日本が開発し、発展させた土地の放棄。
 これは損失ではあったが、それ以上に日本の政治家たちは統治を維持できなかったという「責任」を感じたのである。

 もちろん、日本のノスタルジーだ。

 が、そのノスタルジーにつけ込んだ某国民は、様々な略奪暴虐行為に走り、日本の国庫から金をせしめることに終始。
 如何に底意地の悪い難癖でも、責任の一端を感じていた日本政府は腰砕けで対応してしまい。
 そう、その対応が「日本扱いやすし」と某国に侮られる流れとなったのだ。

 よくよく某国は「日本は我が国のこどもの国」と称する。
 これは占領下にあった過去を塗りつぶすほど過去に遡って自分たちの方が「うえ」だと主張している論拠だと思われる。
 名分論や儒教思想を根底とした某国の文化背景なので大きく語ることはない。
 が、この事例を表に出すと、なかなか面白い事実も浮き上がる。

 現在存在している某国。
 彼らは、日本への文化伝来のルートの一端であった土地に住む王族を打ち倒した王朝の子孫なのだ。
 そう、もし、文化伝来の事例を親とするならば、我々にとって彼らは「親殺し」の仇の子孫であるといえるのだ。
 親の国を親とも思わぬ鬼畜だ何だと言っている某国コメンテーターもいるが、親の国という視点で見れば、彼らは我らにとって、親の国を奪った仇の国の子孫でもあるわけだ。
 そんな凶悪無比、恨み骨髄な親殺しの子孫を警戒しないわけがない、と。

 そんな話を自衛隊特設SD部隊設立式でぶち上げたところ、石破大臣に演台から下ろされてしまった。

「こ、こ、こ、こまりますよ、風間君!!」
「え? 事実ですよね?」
「国として認めるわけにはいかない話が山盛りですよ!!」
「またまたぁ、勉強会でみんなノートに取ってるでしょ?」
「そんな事実は政府的にありません!!」
「・・・」

 じっとおれが見つめると、ゆっくりと視線を逸らす「石破」さん。

「・・・風間君。きみが某国を嫌っているのは理解していますが、フロントレベルでヘイトを溜めさせるのは自衛隊の運営上問題なんですよ」
「・・・現在、自衛隊SD部隊の派遣先は日本海で、仮想的国は某国。すでに佐渡、隠岐の島、対馬にミサイル及び上陸部隊が某国から派遣されているのに、戦争状態ではない、と?」
「国状は関係ありません。自衛隊は「自衛」行為を行うことで国是を果たす存在です」
「なめられている、と国民は感じていますよ?」
「メンツの問題ではないのです。国是は「自衛」なのですから」

 胸を張って言い切った石破さん。
 瞬間、会場に拍手が巻き起こった。
 何事かと石破さんが周囲を見ると、親指を立ててる自衛官・・・あ、特殊な方々だ。

 このときの石破発言は会場内に流れていて、憲法9条の新たな誓いとして左翼メディアを大いに歓喜させつつ、右翼メディアも喜ばせるという離れ業をかましてしまった。
 つうかメンツの問題ではないと言う発言で左翼は喜び、国是を推したところで右翼が喜んだと思われ。

 

 この状況を世界各国はふつう喜ばない。
 同盟国同士の戦闘となればUSAが手打ちを仲介する流れである。
 が、今回USAは非接触宣言をした。
 EUも同じく。
 ユーラシア、東アジア、南北アメリカ、アフリカ諸国も同じ流れである。
 旗色で言えば「青」側同士の争い。
 赤側からすれば介入のタイミングである。
 しかし、しかし。
 絶対に某国側にたてない。
 なにしろ、某国が敵対されたのは「日本」だったから。
 ISの発表から始まった日本の快進撃は、最近で言うところ「同性間妊娠技術」というとんでもない発明に至っており。
 先進諸国で進んでいる同性結婚に税制ばかりか人口上昇的なバックボーンが生まれることも保証されて。
 明らかな悪事でなければ日本に敵対行動など起こせるわけもなかった。
 逆に。
 某国の世間的な評判の悪さはストップ高。
 マナーが悪い、素行が悪い、性犯罪が多いという個人行動ばかりではなく、告げ口外交・虚構事実の流布・差別行動・ヘイト活動などなど、人権問題的な悪評は数えるほどに増えるほど。
 日本からの輸入を止められたとか日本のせいで国債の価値が下がったとか日本のせいで軍備が浪費させられているとか。
 様々なグチが世界各国に流されているが、まじめに聞く国はいない。

 元々、日本に対して無理難題を呼吸するかのように投げつけて溜飲を下げるかのような行動は問題になっていた。
 日本がそれをいなしていたので表面化しなかったが、日本という国がそれを拒絶したことで、如何に常識はずれなことを今までしていたかが知られることになった。
 表面化する範囲の事実だけでも各国の嫌悪感はゲージを振り切っている。
 もちろん、日本は某国のような告げ口外交で有ること無いことをふれ回っているわけではない。
 向こうからの要求とその対応、過去の完了した対応を蒸し返す某国とその回答。
 いま、国外に建設された対日本非難銅像すべてが国家間で交渉終了した件であると初めて知った日本国外人は少なくない。
 では、なぜ民間人が金を受け取っていないから終わっていないなどと言う話になるのか?

 簡単に言えば、日本が支払った金を某国政府が着服したから。

 政府間で問題が終わっているなら、なんで終わらせた政府に賠償請求をしないのか。
 賠償金を着服したのは政府なのだから、その責任は政府にあるはずだ。
 が、着服したのが軍事政権であったため、その請求には命をかける必要があり、さらに負けるしかない運命しかなかった。
 だから政府に対して被害者は請求権を放棄せざるを得なかったのだ。
 しかし、民主化の進んだと思われる今ならば、政府を先導して被害者を偽装して放棄した権利がまだあるかのように装って騒ぎを起こせば、とまぁそういう流れ。
 とはいえ、請求権は当時の軍事政権に対して放棄しているので直接賠償金をよこせとはいえない。
 だからしつこくしつこく謝罪しろとか土下座しろとか大騒ぎして被害者であることを殊更大きく主張しているのだ。

 金の問題ではないといえれば高潔だとかプライドの問題だとか言い募れる。
 そして謝られても「謝罪が足りない」と言い続ければいつまでも自分の立場は安泰だ。
 だれかを下に置いて踏み続けられている限り。

 というところまで、各国の情報機関は分析を終えている。
 そんなわけで、現状、某国を味方する西側諸国どころか赤側諸国もいない。
 あまりにも未開すぎる文化状態に、過去統治をしていた日本へ「どんな教育してたんだ」という問い合わせすら有ったとか。
 もちろん日本の関連部署は日本に非はないと強く主張。
 少なくとも日本という国家が統治していた時代以前からの内ゲバ体質は国民と言うよりも民族性であり、日本国民として受け入れがたい存在であると回答しているという。

 

 閑話休題。

 

 日本SD学園が開設される。

 現在施設建設が進んでおり、IS学園のように離島型建設が行われている。
 まぁ、軍事設備としての面が大きいので町に近く、ではなく人類文化圏から遠く、なってしまっている。 海は太平洋側。
 日本海側だと面倒だし、各国のSD学生を盾にするようで困るし。

 で、むちゃくちゃな話だが、離島建設、というよりもメガフロート建設になってしまった。
 設備の増設が楽なのと各国から持ち寄れて面白いとかそういう理由で。
 海に面した国はメガスロートの規格にあわせた工房を建設しており、日に日にドンドコその面積を増やしている。
 第一区画は日本、というか、俺と束さん担当。
 周辺区画に各国が接続させてゆく流れで、現在、アメリカとカナダ、そして中国が接続済み。
 わりと各国区画内は自由に作られていて、おもしろおかしい食堂ブロックや、それって機密じゃないの?という工作ブロックがあったりして。
 すでに何度かやっている交流会で意見交換が進められている。
 まぁ、日本ブロックへの質問の大半は「同性出産技術」についてなんだけど。

「あした、ロシアのブロックが接続されるんだって」
「おお、自称最大面積の?」
「そう、自称最大面積の」

 今のところ基礎ブロックの接続をしている状態なので、あまり自由な接続は行われていない。
 ある一定規格の大きさのメガフロートを規格接続部分に連結させるというものなのだが、その規格ぎりぎりの大きさにするか、小さいモノにするかは各国の思惑がある。
 たとえばUSA。
 規格サイズの2/3の大きさしかないのだが、港湾ブロックが大きく設計されており、原子力空母も停泊できる設計になっている。
 中国などはほぼ規格面積で作ってきたのだが、はかってみると3/4しかないことは判明。
 理由は知らないけど、歓迎会でいた責任者の一人が翌日いなくなったあたりでしれる。

「・・・申告通りの面積があるといいなぁ」
「こそっといなくなる人員が減ると良いねぇ」

 俺と束さんのつぶやきは、こっそり広まったのでした。

 

 

 そんなメガフロート複合体のSD学園。
 開校は来年の予定。
 現場でコアフロート部分の建設が済んだら、あとは各国担当の市街地や開発部分の接続となる。
 まぁ、暗部や不正人員が滑り込みやすい話だが、そのへんは各国の諜報組織に頼る。
 全部日本でなんて無理だし。
 本当は日本国土で日本組織だけでやるつもりだったらしいのだが、国防属の暴走で今のような形になってしまった。
 とりあえず、SDの開発段階での機密はほとんどないと言っていいので、盗まれるモノなどほとんどないのだが、

「あの国だけには流してほしくないですねぇ」
「気違○に刃物だものねぇ」

 ふはーとあくびの天才兎様。
 最近、この人と外仕事がおおいの何のって。
 太郎閣下からも現場担当者扱いされているのが泣ける。

「ロシアかぁ、ウォッカ?」
「漬け物とスープの種類は世界有数ですね。期待値高いですよ」
「乳製品とかはEUからの輸入なんだっけ?」
「西側諸国と関係悪化して以降、時刻開発が進んで結構なレベルになってるそうです」
「くわしいね、ふーちゃん」
「はっはっは、主要諸国情報ぐらいはふつうに集めますよ?」
「さすが和製ジュエームスボンド」
「関係ないし」

 実は、この「和製ジェームスボンド」という二つ名なのだが、「007」の版権を持つ企業から使用差し止めの訴訟が起こされた。
 が、脚本家連盟が逆に訴訟停止を提訴。
 なにごとだろう、と思ったら、

「彼の二つ名のおかげで、現在放映版権使用料が世界中で大量に得られている。この事実から見れば不正使用と訴えるより使用無料を保証して広めてもらった方がいい!!」

 版権所持企業、速攻で訴訟差し止め。
 加えて名誉MI6職員としての身分証とか俺の写真+ジェームスボンドというコードネームの入ったプレートとか日本風の名刺とか送って来やがった。
 この活動は英国ばかりでは済まなかった。
 なんと日本からもほぼ同等の扱いをする出版社が登場。
 その名も「○泉社」。
 ネームプレートとか名刺とかは一緒だが、内容が「J=B=バンコラン」とか書いてあるのだ。
 それをみた俺は、思わず頭を抱えた。

「だれが美少年キラーだ!!」

 思わず白○社に抗議の電話をしたところ、にこやかな調子で

「嘉納大臣が風間さんのことを『特地のバンコラン』と称してくださいまして。この流れには乗っておこうと思い、原作者の魔夜先生に相談したら『おもしろい』とおっしゃっていただきまして」

 ま、魔夜先生だとぉ!?
 原作者は関係ないだろうが!!!
 あ、そうそう、「翔んで埼玉」ファンです。

「それはそれは。魔夜先生にもお伝えしておきます♪」

 はっはっは、とサイン本の約束までしてしまった俺は、特地バンコランという二つ名を背負うことになってしまったのでした。

 もらってしまった名刺、ボンドとJBB。
 わりと特地自衛官どころか友人知人に大受け。
 両親など魔夜先生のサイン本を居間に飾るほど。
 嘉納先生にも分けたら、

「今度から日本政府じゃやんくてこっちの方を使うってのはどうだ?」
「おれ、UK籍になっちゃいますけど?」
「そりゃまずいかw」

 ゲラゲラ笑った後で、太郎閣下。

「・・・ところでマライヒは誰なんだ?」
「織斑君ではないことが確実です」
「信用してるぞ」

 

 

 が、問題があった。
 信用問題と言うよりも「腐」案件。
 そう、ジェームスボンドだけならばまだよかった。
 大きな問題、「JBB」、ジャック=バルバロッサ=バンコランと称されて否定していなかったことが、一部業界を熱くした。
 というか厚くした。

 ハッキリ言おう、一夏君との絡みならば洒落で済んだ。
 太郎閣下と絡ませるって誰得だよ!!
 リサさんもうれしそうにかいせつするんじゃねぇ!!
 旦那、だんなぁ!!伊丹のだんなさまぁ!
 この趣向性廃棄物を早々と回収してくださいぃぃぃぃ!!!

「あーわるいわるい。リアルには気をつけるように言ってるんだけどなぁ」
「先輩! 風間君はどう考えてもファンタジーサイドの存在だわ!!」
「・・・否定できない」
「否定しろや!!」
「いやぁ、ほら、炎龍と子供作るような存在を、リアルにまとめちゃいけないと思うぞ」
「あ、伊丹さん、おれもその意見賛成です」
「一夏君、裏切ったなぁ!」
「いやいや、絶対に風間さんって亜神ですよ、特地的にみて」
「「「「「同意同意!!」」」」」

 関係ない奴らまで同意しやがって!!
 こうなったら全方向威圧メンチビームを放ってやろうか?

「・・・風間さん、そのメンチビームってなんすか?」
「威圧スキルを可視光化した魔法」
「・・・風間君、それってバンコランの美少年キラー的ビームっぽくない?」
「・・・はっ」

 やばいやばい、そんなことを実践したら本格的にバンコラン扱いにされてしまう。
 ふぅ、やばいやばい。

「いや、すでにできる宣言が信用されてる時点で手遅れですよ、風間さん」
「俺もそう思うぞ、風間君」
「セーフです、セーフ。そんな魔法使っていないし被害者もいない。いわゆる冗談話ですむはずです!!」

 力説した俺であったが、伊丹さんが処置なしと肩をすくめる。
 なにごとかとおもったら、なぜかリサさんが行方不明。

「お宅の嫁はどこに行きました?」
「たぶん、自分の工房で今のネタを・・・」
「伊丹婦人ーーーーーーー!!!」

 そこから始まる「トムトジェリー」の追っかけっこせあったが、それすら腐の材料にできるヤツラは恐ろしいのであります。




妄想ですからね、この話もw