第九話

第九話

 

 臨海合宿の主なメニューは、ISの装備試験だ。
 IS制作企業が作り出した多彩なオプションを練習機で体感しつつ、その性能や使用方法を取得するのが本分である。

 で。

 本分、と言い切るからには本分ではない部分もあるわけで。
 それが、

「目の前の楽園光景だ」
「・・・おお」

 合宿に使われる旅館は、超本格的料亭なのだが、その利用は夜と食事の時だけ。
 昼間は、この、なんというか、表現に困る光景を展開させているわけで。
 色とりどりの水着を纏ったIS学園生徒。
 おっぱい、ちっぱい、いろいろあるが、正直思春期の青少年を性少年に換えるだけの威力のある光景であることを力説したいが控える。
 なにしろ・・・

「じーーーーーーーー」

 声に出してガン見してる吸血鬼、じゃなくて吸性鬼がいるから。
 千冬さんから「踊り子にてをだせば、この世の地獄に送ってやるからな」と宣言されている影響で、見るだけならOKと理解したミツバチマーヤがよだれを垂らして俺たちの腹筋を見ている。
 というか腹筋ばかりではなく、全身隈無くなめるように見つめているのだ。
 あの視線だけでセクハラだと訴えて勝てる気がする。

「・・・祐司、流石に視線がこわいんだけど」
「気にするな。あれは風景の一部だと思え、一夏」

 正直、痴漢被害に遭う女性の気持ちが微妙に理解できる俺たちであったが・・・

「一夏ぁ!」
「祐司さん!!」

 飛び込んできた光景は色々と忘れさせられた。

 まず目に入ったのは、篠ノ之箒。
 武道で鍛えられ、四肢のバランスもさることながら歩行のきれいさが際だつ巨乳人。
 続いてセシリア。
 先日選んだ水着を身に纏い、小走りの姿が光り輝き視線が揺れるというか視線が持って行かれる。
 さらに鈴。
 かわいいと言うよりも綺麗なボディーラインが脳味噌をかき回し、跳ねる髪の毛よりも時々鎖骨に引っかかるのがイケてる。
 で、シャルロット。
 ちょっと緩めに見えた体の線は、実は引き締まっていて、胸以外は揺れず、というか胸が不自然なほどに揺れているのがヤバい。
 で、なぜかラウラ。
 スク水、というか白スクって誰の入れ知恵だ?

 とまぁ、絢爛豪華な花たちが俺と一夏を取り囲み、光り輝き目を眩ませる。
 ああ、こんな健康的かつ色気ある光景を見れば、あの淫獣の視線などなんのそのだ!

 ・・・といいますか。

「織斑君、3おっき。阪上君、4おっき」

 おい、そこの淫獣友の会。
 なに双眼鏡でこっち見ながらメモしてやがる。

「織斑君、2おっき。阪上君、2おっき。やはり男性は精神が影響します、山田会長」
「どんどん観察しましょう」
「「「「「はーーーーい」」」」」

 たすけて千冬さーーーーん、これって精神的レイプだってばさぁ!!

「この不埒者共、そこになおれぇ!!」
「「「「「きゃーーーーーー」」」」」

 突如現れた千冬さんのおかげで変態集団は去ったかのように見えたのだが・・・

「織斑君、4おっき。阪上君、5おっき。さすが世界最強!!」
「「なっ!」」

 おもわず海まで走って逃げた俺と一夏であった。

「つうか、一夏。実の姉に甘立○ってどういうこった」
「祐司こそ、俺の姉に性的な目を向けやがって」
「「良い度胸だ、そこになおれ!!!」」

 数年ぶりに取っ組み合いになった俺と一夏だったが、なぜか周辺女子はごちそうを見るようにガン見だったそうだ。
 あと、写真に撮った布仏さん、あとで織斑先生の説教部屋いきな。

「そんなぁぁぁ~~~」

 

 日中の騒動は、まぁ、海に観光にきた若者特有の騒ぎと割り切れる内容だったけど、晩飯が、こう、すごい。
 ふつうの観光旅館レベルを遙かに超えるもので、加えて言えば男子高校生と判断してもらったおかげで、俺と一夏には「お櫃」がソレゾレに与えられた。
 とはいえ、一夏。
 夕飯は軽く食べる派なのだが、ナマモノ系や煮物などの余りの旨さにお代わり連発。
 俺も引きずられるようにどんどん食べていたのだが、いつの間にか隣にいたセシリアがご飯をよそってくれたり、シャルロットがよそってくれたり。
 一夏の方でも箒がうれしそうに世話をしていた。
 ただ、鈴がこっちを恨めしそうに見ているのが何とも。

「いやぁ、上げ膳据え膳のIS学園もすげーけど、本格日本食というか懐石風贅沢料理というか、日本って食社会を凝縮してるって言うかぁ!」

 大興奮の一夏を女子の誰もがご馳走のように見つめているのであった。
 まぁ、子供みたいだしね。

 そんな夕食の後、一夏と露天風呂を浴びて部屋に戻る。
 俺たちの部屋は千冬さんと同室。
 ほぼ家族同然の俺と、織斑家の三人で四人部屋だが、一応部屋の中でふすまを一部立てている。
 やはり妙齢の女性が一人いるので、と気遣いしたのだが、千冬さんには苦笑いされてしまった。

「まったく、おまえぐらいなものだぞ、祐司」
「え、なにがですか?」
「おまえぐらいなものだ、私を普通の女性扱いするのは」

 え、と思わず一夏をみる。

「一夏は私を姉と見ているが、女性としてみているはずもないだろ」

 もういちど、一夏をみる。
 実の姉の水着姿で「4おっき」する弟、と。
 一夏は青い顔をして視線を逸らした。
 うん、不味いという自覚があるならいいだろう、その自覚を忘れるんじゃないぞ。
 つうか、一夏には姉系の美少女がついてるんだから、そっちを気にするべきだな。

「・・・え、だれだよ、それ」
「え、マジで気づいてないのか?」
「いやいやいや、姉系だろ? いやいやいや、姉、姉系かぁ・・・うーむ」
「千冬さん、こいつ、心底トンチキですよ」
「まぁわかってるがなぁ。それにしても祐司、聞いたぞ、でっかいバックボーンを得るまで恋愛自己禁止だって?」

 うっわー、やっぱり伝わったか。

「そりゃそうですよ。恋人(おともだち)レベルならまだしも、恋愛、交際、結婚なんて流れになれば、よほど確固たる基盤がなけりゃ嫁さん誘拐されたり子供誘拐されたり大変でしょ?」
「そうだな、その自覚があるという事は良いことだ」
「ちょ、ちょっとまってくれ、千冬姉、祐司。それってどういうことだよ」

 現実逃避から戻ってきた一夏に、俺と千冬さんは予想しうる最悪の事態を想定して話した。
 正直、一夏はどん引き。

「・・・そんなにISに乗れるのが偉いのかよ」
「ISが隔絶した「何か」であるうちは、どうしようもなくついて回る障害だ、一夏」

 落ち着かせるように一夏の頭をなでる千冬さんには苦悩以上の何かを感じさせる色合いが見える。

「セレブリティー、有名人という人間は、色々なものを犠牲にしつつ色々なものを享受するものだと思うぞ、一夏」
「俺はそんなことを望んでいないぞ、祐司」
「宝くじが当たった、万馬券が当たった、親戚の遺産が転がり込んだ。人生じゃぁ恐ろしいほどありふれたイベントだけど、その中の一つとしてみれば頭一つ突き抜けたイベントだよな」

 そんなイベントは、ある意味切っ掛けがあったわけで。

「・・・わりぃ、被害者ぶってた。もともと俺がISに無断でさわったのが原因で祐司にも迷惑かけてたんだったよな」
「いろんなマイナスはあるけど、このIS学園で俺は初めて人間扱いされてる実感があるよ、一夏。だからそういう面では一夏に大感謝だな」
「・・・祐司」

 こつん、と拳をあわせる俺と一夏。
 そんな二人を千冬さんはきゅっと抱きしめた。

「若い頃の苦労は買ってでもしろって言うがな、おまえたちの苦労は売るほど山積みだ。考えて、考えて、その上で考えて行動しろ。その考えの積み重ねが年をとった後で生きてくるからな」
「「はい!」」

 実の姉はいないけど、頼りになる姉ってこういうイメージなんだろうと実感した俺であった。
 やべぇ、身を委ねたいかも。

 

 翌日からはご存じのIS練習機での演習というか装備試験というか。
 織斑先生指揮下で様々な装備を試してるんだけど・・・。

「あのぉ、この兎印の装備って・・・」
「聞くな」

 俺と一夏のいるエリアに広げられた妙ちきりんなIS装備の群には、すべて兎マークが描かれている。
 思わずどこのメーカーだろうと首を傾げた俺だったが、一夏は色々と思い当たるところがあるらしい。
 というか、箒も頭痛を堪えるような仕草だし。

 ・・・ああ、そういうことか。

 鉄板対応の織斑先生の態度と箒の否定的対応。
 そして一夏の顔を見ておおよその予想がついた。
 そう、この兎装備は、篠ノ之束系に違いない。

「えーっと、装備一覧を見せてもらえませんか、織斑先生」
「あー、まぁ、それなりに厄介だから気をつけてくれ」
「「「「「はーい」」」」」

 事情がわかっている人、わかっていない人、様々だが・・・。

「なに、この照準距離と補正、正気じゃないんだけど」
「というか、こんな膨大な式を一瞬で処理するって意味が分かんないんだけど」
「うっわぁ、この連続照準機構、かんちゃんにわけてあげたいなぁ・・・」

 とかなんとか、大いに盛り上がりつつチェック項目が埋まってゆくのだが・・・

「織斑先生、これ、調整がピーキーすぎですぅ!」
「ああ、それは織斑にやらせろ」
「すみません、この刀系デバイス、扱いきらないんですけどぉ、織斑先生」
「んー、篠ノ之ぉ、おまえ、両手で扱えるな、うん。では頼む」
「おりむらせんせー、このマルチロックオンくださいぃ~」
「やらん」

 とかなんとか大騒ぎ。
 やはり一般レベルにダウンサイジングされたものでも天災印は三歩ぐらい違うのが理解できる。

「・・・なぁ、祐司、理解できるか?」
「たぶん、処理の大半をISコアに丸投げしてると思うぞ。そのための情報バイパスがキモなんだろうな、今回の装備って」
「「「「「・・・」」」」」

 なぜか信じられないようなものをみる感じで見られてしまった。

「阪上君、流石にこの処理をISコア単体では無理なんだけど」
「市販のコンピューターでクラウド並列処理がされているのに、ISコアで出来ないとかないんじゃないかと思うんだけど」
「「「「「・・・・・」」」」」

 再びの沈黙。
 なんだろう、周囲からの視線が怖いんですけど。

「・・・確かに、周辺のISの稼働率もあがっているか」
「あ、すごいログが貯まってる」
「・・・すごい、すごい、うわぁ・・・これならかんちゃんのISにも使えるかも」

 およそブレのない布仏さんはさておき、ISの機動ルーチンと情報処理の並列処理は必須なので応用は難しいだろう。
 でも、新しい着眼点ともいえるわけで。
 たとえば三人戦。
 控えの二機のコアをバックアップ処理に使えるともいえる。
 まぁ、ルールが細かく決まれば、そのへんの扱いも変わるだろうけど。

「ほんとうに理解してたんだな、祐司」
「いや、けっこう勘任せだが」

 なんとなく、そう思っただけだが、イメージ的には間違っていないらしい。
 らしいのだが・・・

「なんで思いつかねーかね?」
「それが凡人というものなのだよ、少年」

 誰もいないと思っていた方向から声をかけられて驚いた。
 思わず振り返るとそこには、メカニカルなウサミミを頭に取り付けた美女がいた。
 体系的にも最強、雰囲気的にも最強、そんな感じの人。

「・・・束、ここは関係者以外立ち入り禁止だ」
「おやおや? この装備の開発元が、開発者が無関係なはずはないんだけどなぁ、ちーちゃん」
「関係業者は前もって参加手続きが行われている」
「ちゃーんと、あのサキュバスにだしてるもーん」

 にやっと微笑む美女を忌々しそうに織斑先生、というか千冬さんがにらんでいた。

「それにしても、男子ISライダーってだけでも面白いのに、早々と今回の装備の真の目的をつかむとか、結構面白いね、君」

 好奇心満点と言った風の瞳で俺をのぞき込む美女に、ゆっくりと礼をする。

「初めまして、阪上祐司ともうします」
「はい、はじめまして。私は束さんだよ。君のことは結構一方的に知ってたんだけど、思いの外ユニークだよね」

 うんうんとうれしそうに頷いた後で、視線が千冬さんに向く。

「ねー、ちーちゃん。この子くれない? 大丈夫、改造とか解剖とかしないから!!」

 なにげに恐ろしい単語が混ざってる。

「束、祐司を保護しようと言う意志は有り難いが、どういう名目にするつもりだ? 流石に婿にくれとかいったら全力で阻止するぞ」

 保護、そうか、そういうバックボーンに名乗りを上げてくれたって事か。

「いやいやいや、初恋の人がちーちゃんなんてすごい男の子を籠絡したりしないってば。逆に束さんとしては彼の発想力が面白いから、暫く助手としてつきあってほしいなぁとか思うのですよ」

 えー、という視線が俺に集中する。
 俺の初恋の相手が千冬さんなのは学園周知のことで、今の視線は「助手」と言う点だろう。
 とはいえ助手とか言われてもなぁ。

「IS学園でいまだ一年過ごしていない俺を助手とか、どう考えても不安しかないんですが」
「だいじょぶ! 束さんの手に掛かれば、適正優良児が一気にヒップでポップなマッドにジョブチェンジだよ!!」

 なんていやなジョブチェンジだろう。
 少なくとも自己紹介では使えないし、就職では足を引っ張りそうなジョブだ。

「阪上、とりあえず頷かなくていい。向こうに立てば世界からねらわれる理由が三桁単位で増えるぞ」
「篠ノ之束博士、今回はご縁がなかったという事で」
「速攻でふられた!!」

 大声だが悲痛さはない。
 やっぱり冗談のたぐいだろうと思う。

 そんな騒ぎもそこそこに、珍しくまじめな顔をしたミツバチマーヤ、というか山田先生が現れた。
 小声で織斑先生に耳打ちすると、織斑先生の表情も引き締まった。
 そこで発せられた緊急撤収命令と旅館自室での待機指令。
 加えて専用機持ち達が集められたのを見れば、一目瞭然の事態といえる。

「箒、撤収は撤収だが、専用機持ちのパッケージはすぐに出せるようにしておこう」
「・・・なるほど、有事であるがゆえに、か?」
「ああ、正直、10分20分の差で事が動く気がする」
「ならばシールドエネルギーのチャージャーも準待機にしておいた方が良かろう」
「いいはなしだ、うん、わるい、一組全員聞いてくれ」

 撤収の手を止めず、梱包の手を止めず、それでいて次の手を予想しながらの準備を始めた俺たちだった。

 

 内緒で機動状態で待機させていた一機の打鉄。
 そのコアを使って情報収集することで事態を理解した。

「米国とイスラエルの共同開発「軍用」ISの暴走だと?」
「ああ、その迎撃任務を国際IS委員会から指示されている」

 もちろんばれれば只ではすまない。
 しかし、逼迫した状況で押し込められたまま死んではたまらない。

「祐司、どうする?」
「学生迎撃が指示内容なら、学生総動員だな」
「すでに専用機持ち全員が召集されているだろう?」
「いいや」

 いやいや、ぜんぜん足りません。

 

 

 それは誘蛾灯に群らがる虫を思わせる光景だった。
 しかし、その実は、IS学園における全学年の専用機持ちが結集して行う迎撃任務であった。
 確かに今年の一年に「第三世代IS」専用機持ちが多いのは事実だろう。
 しかし隔絶した技量を持っている「第二世代IS」専用機持ちもまた少なくないのだ。
 第三世代ISの特殊武装への適性が欠けるため候補にすらならなかったISライダー達であったが、それまでの第二世代ISの、蓄積された技術と技量はけして劣るものではなく、戦闘面で見れば遙かに上回るものであった。

 一年の第三世代ISの回復をさせるための機動防御であったはずの各学年専用機持ち攻撃は、今まさに軍用ISのシールドエネルギーを削りきろうとしていた。
 各学年の専用機持ちへ話をぶっちゃけた段階で機密漏洩の罪に問われた俺であったが、その罪の範囲と言うことで今回の作戦を臨海合宿参加者にも見せて上げるべきだと力説し、どうにか通った。
 そんなわけで現在宴会場に特設されたプロジェクタへ投影された映像をみんなで見ているのであった。

「うむ、世代の差を数で埋めるか。この方向性こそデュノアの目指す方向性だな」
「あ、聞いてたんだ、箒」
「まぁ、恐ろしい話だと思うぞ」

 壁際でお茶を飲みつつ苦笑いの箒。
 ギザギザの木製座布団の上に正座をさせられて、さらに重石を乗せられている俺。

 これ、拷問ですから、反省を促す罰とか言うレベルを超えてますから!!
 あと、みんなゆるんだ顔で写メとるんじゃありません!!
 くそぉ、IS学園の女子は俺に厳しくないんだけど、逆に汚れ扱いがヒドいんじゃないだろうか?

 それはそれとして。
 補給中だった一夏たちが前線にもどるころ、楯無師匠の一撃によって軍用ISが落ちた。
 即座に二次移行して飛び上がってきたのだが、一夏が「零落白夜」で一撃の下にたたき伏せて再度墜落。
 さすがに三次移行はなく、そのまま回収されたのであった。

 その光景を見ていた生徒一同盛大に拍手をして盛り上がり、本人達不在のまま乾杯と万歳が繰り返されたり。
 ただしおれは拷問姿勢のまま。
 ヘルプ、ヘルプ、箒、助けてプリーズ。

「あー、織斑先生から伝言だ。そのまま朝まで反省シロだそうだ。あと、重石の追加は無しにしてやるから感謝しろとな」

 がぁぁぁ、なんてこった。
 とはいえ、国際犯罪レベルの機密漏洩をした罪を棒引きにしてくれるのだから受け入れるしかないんだけど。
 つれぇぇぇ。

 おっつけ帰ってきた一夏たちに見つかり、その罪状を書かれた立て看板と一緒に爆笑のままに撮影会をされた俺は泣いてもいいと思う。

「祐司君、貴方の犠牲はあったけど、IS学園生徒でだれも怪我なく帰ってくれたのは、君のおかげな事実は変わらないわ」
「楯無師匠、そういいながら動画で俺を撮影するのをやめてくださいませんかね?」
「えー、こんな爆笑題材映像に残さない方がおかしいわよ?」

 ああ、IS学園は楽園ではなかったのだ。
 IS学園は修羅の国だったのだ。

 そんな泣き言を弾と数馬にメールしたところ、なぜか数馬から「俺の入った高校もそのノリでした」とかなんとか。
 数馬が進学した新進気鋭の進学高校、文月学園と言うところの恐ろしさを感じる俺であった。

 

 一夏はリボンをプレゼントしていた。
 俺はちょっとおしゃれ系の竹刀の弦。
 なにが、というと、箒の誕生日プレゼント。
 ちょうど臨海合宿と時期が重なっていたので、二人で渡したところ、周辺クラスメイトから大いにブーイング。
 かなり照れながら、弦は鞄に入れて、リボンはその場で締めた箒。
 はにかみつつ微笑む顔を見て、さすがの一夏も頬を染める。
 一夏と箒、この二人の組み合わせには無理がない。
 というか、政治的にも万全の耐性でスクラムが組まれていると言っていい。
 逆に他の女性と関係を持つと突っ込みどころが多数になる。
 そういう意味で、俺は女性との交際実績を積むことが出来ない。
 なんとも前向きな理由を持った童貞である。

 

 




ということで、切りの良いところまででしたw

今回の魔改造部分は「まーや」。
これだけですねw