第二十二話

第二十二話


ひっさしぶりすぎて、もう、どういう話の流れだったか忘れてしまっていましたw



 せっかくロンドンまで来たので、ちょこっと観光、と行きたかったのだが、思いのほか裏のオカルト勢の干渉が激しすぎた。
 ロンドン塔観光とかしてないのに、ちょっと表通りを歩くだけで人避けの結界やら誘導結界やらが乱立してやがる。
 それでも呪いをかけてこないのは、やはり先ほど公表した呪い返しが怖いのだろう。
 というか、メディアさんすら背筋が凍ったという呪いの構成内容なので、多くは語るまい。

「まぁまぁまぁ、でしたら、タダオ様は間違っておりませんわ。友を、眷属を脅かされて黙っているなど、魔術師ではありませんもの」
「魔術の貴族とも言われるエーデルフェルト様にそう言っていただけると安心できます」

 と、結界の巣を縫うように移動していたところで、青の貴族、エーデルフェルトの現当主様と出会う事になり、お茶に誘われた。
 周辺の魔術師は、彼女の万能執事が排除してくれているので結構安心。

「ですが、あの『うっかり』の呪詛、恐ろしいモノですわ」
「その呪詛を越えて代を重ねている冬木の魔術師はさらに驚嘆の存在、とご理解いただけますか?」
「ええ」

 にっこりほほ笑む彼女、エーデルフェルト嬢って日本には隔意があったはずだった。
 第三次聖杯戦争での敗退が一族のトラウマになっていたらしいのだ。
 だが、ここ数年の間の宝石剣を基礎にした魔術根幹の複製が、日本から流れてきているという現実が態度を軟化させているらしい。
 彼女の代でかなり進んだらしく、次の代あたりで才能が高まれば魔法に至るのではないかという話すらあるとか。

「それもこれも、タダオ様が秘術をお分けいただいたから、ええ、心の底から感謝しておりますわ」
「あー、エーデルフェルト様?」
「なんですの?」
「一応、うち、売り元としては秘匿してましたが」
「あらあら、あのような簡単なベールなどないに等しいものですわよ? ですが、仲買人のあのかた、コクトーとおっしゃる方の人物像がいっさいつかめませんの。あの方はどのような方ですの?」
「あと薄いベールが二三枚ありますので」
「・・・うふふ、それは楽しみですわ」

 とまぁこのお茶会の間、凛ちゃんは寡黙。
 いろいろと合うところ合わないところがあるようで、できるだけ会話を避ける方向性だとかなんだとか。

 実のところ、一度接触はしているそうだ。
 その際に今回の教訓を得たらしい。
 どういう方向なのかは気にしないことにした。
 うん、凛ちゃんが二乗になったら俺もつらいし。

「・・・では、そろそろ外の連中も『狩り』とられたようですので、これにて」
「ええ、またお会いしましょう」

 ついっとお互いに礼をして分かれる。
 先ほどまでコソボかアフガンかって感じの結界道路だった道は、綺麗に洗浄されたかのようになっていた。
 というか、あれだろうな、あれ、本当に「洗浄」したに違いない。

「・・・かぁ、あのハイエナめぇ。うちの忠夫に色目を使いやがってぇ」
「おいおい凛ちゃんや、常に優雅に、だろ?」
「はっきり言うけど、あのエーデルフェルトっていうのは信用しちゃだめよ? もっとも美しいハイエナとか言われてるんだから」
「貴族のあり方としては常識だろ? 逆に常に優雅にってのが古式ゆかしすぎる気もするが」
「なによ、遠坂の家風に文句合るの、ねぇ?」

 ないない、と首は振るが、そういう「ゲッシュ」は身を滅ぼすと相場が決まっている。
 古代ケルトの神話を見るがいい。
 様々にひっかき回されて弱点つかれて負けて行っている。
 紳士協定とか淑女協定とか、そういう相手を信じる協約なんてモノは戦略上の足がかりにすぎない。
 それを理解した上で「優雅」を演出するならいいけど、単なるライフスタイルどころじゃないレベルで「家風」にするのはいただけない。
 文化として、ゲッシュを重んじる世界ならいい。
 しかしこの世界が異文化がパッチワークのように入り乱れる混合世界だ。
 神すら主役になれないハードな舞台で、なれ合いを必要とする家風はじゃまだろう。
 まぁ、この家風が積み重なって魔術刻印にすら刻まれるほどになったあたりまで生き残れれば、奥の手的な切り札になるかもしれないけど。

 

 代を重ねた遠い未来、まさか本当に切り札になるとは思っていなかった横島であった。

 




というわけで、感覚をつかむために書いてみたんですが、書いているうちに何故か生身の足で冬山登山をしてカルデアに到着したよこっちを思い浮かべてしまいましたw

当然、所長が最初に落ちる!! 即落ち決定キャラ!! みたいなw